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第9期会長挨拶

辻 彰 会長の後を引き継ぎ、2006年1月から会長に就任いたしました。

日本薬物動態学会は1985年に発足して以来、今年で20年を迎えようとしております。昨年ハワイでの会議において20周年記念の行事を行ったことは記憶に新しいところです。

私は、鎌滝、辻の両会長が築いてこられた本学会のグローバル化の道を継続することを第一の目標に掲げたいと思っております。 私がこれからの2年間、日本薬物動態学会(JSSX)と国際薬物動態学会(ISSX)の会長を兼任することは、そのグローバル化ということに対して好条件にあると感じており、この機会を是非とも活かしたいと考えております。第二の目標として、本学会から時代の最先端を先取りし、世界の研究をリードできる若い人材を多く輩出するための基盤を作りたいと考えております。また、学会のスムーズな運営、活性化などのためには、執行部(理事会)、事務局(大塚事務局長、国際医学情報センター(IMIC)の皆さん)、編集委員会をはじめとする各種委員会、そして会員の皆さんとの間の相互交流がより活発になるシステム作りが必須であると思います。私は、これまで以上に理事会の活動を活性化させることにより、会員の皆さんにできるだけ多くのフィードバックができるような体制作りをしていく予定でおります。 この実現のために、具体的には以下のことを考えています。 

  1. “ビジョン委員会”の設置 
  2. “Brain stormingをあちらこちらでやろう” 運動 
  3. “世界をアッと言わせる研究を行おう” 運動
  4. “若手研究者の委員会”“次世代のリーダーになろう”委員会の設置

執行部が政策を進めていくにあたって、明確なビジョンが必要なことは言うまでもありません。私が関係している幾つかの国際学会では、執行部のメンバーを中心にいわゆるbrain storming meetingが公的にも私的にもよく持たれています。学会そのもののあり方について既存の概念をひとまずは捨てて、本当に何が大事なのであろうか、目的は何だろうか、それを実現するために何が必要なのか、について自らに問いかけると同時に真剣に話しあう必要があると思います。研究領域においても同様のことが言えます。“この技術を持っているからこの研究をしよう”という筋道ではなく、世界の研究の中で自分がアピールできるところは何だろうか、世界を“あっ!”と言わせる研究をするためには何をすればよいのか、必要ならば何年かけても新しい領域と技術を勉強する必要性、など真剣に考えることが大切だと思います。こういう考えのもと、ビジョン委員会を総務委員会の中に立ち上げることにしました。日本の薬物動態研究が世界をリードできるかどうかは、結局は個人の能力と個人の積極性に関わっています。各研究者が少なくとも1年に数度は丸1日を費やして、自らbrain stormすることを薦めたいと思います。そのことによって、日常に流される自分を見直し本来の目標に向かって努力していく道が開かれることを願っています。若い研究者にはこの姿勢が特に必要と思っています。このような若手研究者の未来を拓いていくためにも、私は学会に若手研究者がより積極的に関わっていけるような道を作りたいと考えています。若手研究者が本学会とより密接にかつ積極的に関わることを機軸にして、日本薬物動態学会の将来、日本の薬物動態研究の未来が開けることと信じていいます。若手研究者の委員会を作ることも一つの考え方だと思いますし、若手が主体となるワークショップの開催など、種々のことを具体化していきたいと思っています。

どうか会員の皆さんから忌憚のない意見をお聞かせ下さいますようお願いします。私自身に、事務局に、あるいは理事の先生方のどなたに言っていただいても結構ですので、宜しく御願い致します。会員の皆さんの発言に駆動される日本薬物動態学会を目指します。

日本薬物動態学会   
第9期会長 杉山 雄一