Newsletter Volume 31, Number 6, 2016

Newsletter Volume 31, Number 6, 2016

はじめに

 2016年も終わりを迎えようとしています.本年もニュースレターを御愛読いただきまして誠にありがとうございました.ニュースレターでは,本年よりWEBのみでの配信にした一方で,新たな連載も開始しましたが,いかがでしたか?更なる有益な誌面作りに向け,忌憚のない御意見・御要望をお寄せいただければ幸いです.

 さて,今号ではいよいよ「企業で活きる薬物動態の基礎講座(ニュースレター編)」が最終回を迎えます.本連載は,皆様にとって改めて薬物動態の基礎を学ぶ良い機会となったことと期待しています.その結びとして,成富洋一先生からは「薬物動態予測研究の今後の方向性」,また,平林英樹先生からは「盛り込むべき条件や仮定を自ら設定して考察する演習」について解説いただきます.

 一方,「技術の窓」は大阪大学 境 慎司先生より「動物細胞包括マイクロカプセルを用いたスフェロイドの作成法とその応用」についてご紹介いただきます.薬物動態研究者にとって今すぐにでも試してみたい内容としてお楽しみいただけることと思います.また,「NEW FACE – NEW POWER」では,金沢大学 後藤沙希先生にご登場いただきました.異分野を渡った経験やそれを通じて培った研究への思いを,力強く綴っていただいています.

 さらに,「技術・研究材料紹介(企業広告):Corning® HepatoCells スフェロ
イド -新規3次元培養毒性試験モデル-」,「トピックス(秦 武久先生)」,「展望(第31回ワークショップ/第11回ショートコースのご案内)」および「DMPK掲載論文 著者から読者へのメッセージ」もございますのでお役立て下さい.

 末筆となりましたが,来年も皆様に有益な情報をお届けできるよう取り組んで参りますので,変わらぬ御愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます.

 

特集記事のご紹介

トピックス

 第23巻第6号(2008年)に開始した本記事は,電子メール版においても継続いたします.医薬品等の研究開発,品質・非臨床・臨床・市販後を通しての新しい試験や評価の方法を中心に,MHLW(厚生労働省),FDA(米国食品医薬品庁),EMA(欧州医薬品庁)の3極規制当局およびICH等の国際的な最新規制情報を紹介していただきます.本記事を通して,医薬品等の品質・安全性・有効性について科学的視点からの適切な判断を下すための最新の指針に精通していただき,会員各位の業務に有効にお役立ていただければ幸いです.

NEW FACE – NEW POWER

 「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.

企業で活きる薬物動態の基礎講座

 このコーナーは日本薬物動態学会第30回年会の初日に行われ,好評を得た学会活性化委員会DIS「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた成富洋一先生および平林英樹先生に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.特に創薬現場での薬物動態研究で必要な知識や技術を分かりやすく解説する講座として設けました.基礎的な内容であればあるほど,なかなか人には聞きにくいものであり,本で調べても記載していないことも多々あります.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.

技術の窓

 このコーナーでは,薬物動態研究に役立つ技術を企業および大学の先生方に紹介していただきます.新しい技術,動態の分野に別の分野から導入された技術,もともとある技術の新しい使い方,など,薬物動態研究を発展させる可能性がある技術を紹介していくことを目的としています.本コーナーで取り上げたい技術がございましたら,ご意見をお寄せください.