Newsletter Volume 35, May, 2020

日米合同薬物動態学会

写真:山崎浩史

Symposium 11: P450 Structure, Function and Mechanism

昭和薬科大学 薬物動態学研究室
山崎浩史

 年会最終日午後のセッションは,プレナリー扱いの「まとめ」の単独セッションとなります.主題は,1960年代に大阪で発見され,J. Biol. Chem. 237, 1375-1376 (1962)に論文報告されたチトクロムP450です.P450は,長い日米間の共同研究の歴史を振り返る上で,代表的な薬物代謝酵素です.過去,現在,そして未来を展望したJSSXとISSXのP450研究に関する最新の成果をまとめた5演題を集め,本プレナリーセッションを構成しました.

 座長は,P450結晶構造研究で発展著しいEmily Scott博士(ミシガン大学)と,2012年博多でのチトクロムP450発見50周年記念シンポジウム副委員長を務め,本合同年会日本側年会長の昭和薬大山崎浩史が務めます.各演題には,Structure, Function and Mechanismのどれかをつけた構成としました.最初にEmily Scott博士と山崎浩史からP450酵素の構造と機能の話をいたします.続けてFred Guengerich博士(バンダービルト大学)が多様なP450メカニズムを話します.

 日本からは,もう一人,鳥取大学大学院 永野真悟博士に植物P450の機能に関する発表をお願いしております.永野博士は,上記P450発見50周年記念シンポジウム委員を務め,第38回JSSX年会(2023年,吉成浩一会長)と合同開催となるP450国際会議(ICCP450)側のco-chairです.ハワイの地から2023年JSSX年会に向けて,研究展望を語ってもらう構想です.最終演者Irina Sevrioukova博士(カルフォルニア大学)は,P450構造について話します.

 ハワイ年会に参加される皆様を,本年会の最後の最後まで引きつけることを目指し,日米共同研究と本合同会議の象徴となるべく本シンポジウムを企画しました.一方,参加者の皆様の便宜をはかる上で用意しました年会参加ツアーのひとつであるホノルル乗継1泊プランにて,ハワイ島を離れる時間帯と重なる設定です.ハワイ島に加えオアフ島を満喫するか,あるいは,P450セッションを最後まで楽しむプランを選択するか,読者の皆様に,大いに悩んでいただくことを期待し,本シンポジウムの企画紹介とさせていただきます.

Symposium 11: P450 Structure, Function and Mechanism

Co-Chairs: Emily Scott, University of Michigan, Ann Arbor, Michigan, USA and Hiroshi Yamazaki, Showa Pharmaceutical University, Tokyo, Japan

  • P450 Structures: Protein/ligand and Protein/protein Interactions
    Emily Scott, University of Michigan, Ann Arbor, Michigan, USA
  • P450 Function: Drug Metabolizing Enzymes in Non-human Primates and Humans
    Hiroshi Yamazaki, Showa Pharmaceutical University, Tokyo, Japan
  • P450 Mechanism: Varied Mechanisms of P450 Catalysis
    Fred Guengerich, Vanderbilt University, Nashville, Tennessee, USA
  • P450 Function: Novel Plant Biotransformations Catalyzed by P450s
    Shingo Nagano, Tottori University, Tottori, Japan
  • P450 Structures: Aspects of Ligand Binding to P450s
    Irina Sevrioukova, University of California – Irvine, Irvine, California, USA