Newsletter Volume 41, Number 1, 2026
はじめに
2026年(令和8年)が始まったと思ったら,あっという間に2月を迎えました.年齢を重ねるにつれ,時間の流れがますます早く感じられるのは本当のようです.昨年,思わず鳥肌が立つ出来事がありました.ある病院から,「5-FU系抗がん剤の投与後に,極めて重篤な副作用を呈した患者さんがいる.薬物代謝酵素のゲノム解析をお願いできないか」というご相談を受けたのです.「もちろん大丈夫です」とお引き受けし,5-FUの主要代謝酵素であるDPYD(ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ)のエキソン領域を,ラボの学生にサンガーシークエンスで解析してもらいました.すると,「先生,DPYD遺伝子にミスセンス変異がホモ接合体で見つかりました.しかも,in silico解析で立体構造変化をシミュレーションすると,活性部位の構造が大きく変わっていて,活性消失が強く示唆されます……」との報告が.ここで鳥肌が立ちました.「日本人集団での多型頻度はどうだろう?」と調べてみると,約6万人中でヘテロ接合体がわずか2人.理論上,ホモ接合体は数十億人に1人という,まさに“超レア”なバリアントでした.その瞬間,再び鳥肌が立ちました.その後,患者さんの血漿ピリミジン濃度測定によりDPYD欠損症であることが確認され,さらにin vitroでのDPYDバリアント活性も完全に消失していることが明らかになりました.5-FUによる重篤な副作用が,遺伝的DPYD活性欠損に起因するものであることに,強い確信を得た瞬間でした.この興奮を家に持ち帰り,家族に熱心に語ったのですが,妻も子どもたちも反応は「ポカーン」.残念ながら,誰一人として興味を示してくれませんでした.そのとき,「きっとJSSXの会員の皆さんなら,嬉しそうにこの話を聞いてくれるに違いないな」と,しみじみ思ったのでした.
さて,昨年11月に開催されたJSSX代議員総会において第19期役員が就任し,ニュースレター(NL)編集委員会も新体制での活動を開始しました.我が国の薬物動態研究をリードする会員の皆様に,
「まさに,そんな情報が知りたかった!」
「へえ,そんな面白いことがあるのか!」
「次は,こんな特集を読んでみたい」
と感じていただけるようなニュースレターをお届けしたいと考えています.
今後のNLに,どうぞご期待ください.(M.H.)
トピックス
CoRTIS -Corporate Rising Talents Initiative Session- 開催の舞台裏
第4回CoRTIS実行委員
第40回薬物動態学会年会において,第4回CoRTISを開催いたしました.
CoRTISはCorporate Rising Talents Initiative Sessionの略称であり,主に企業等で薬物動態研究に従事する若手研究者の交流と相互成長を意図した企画です.
本記事では,CoRTIS設立の背景から今後の展望,実行委員だけが知る舞台裏に至るまでを公開いたします!・・・(続きはNLホームページへ/会員専用)
動態研究に取り組むNEW POWER
小腸オルガノイドを用いた消化管毒性予測への挑戦
東京大学 大学院薬学系研究科 分子薬物動態学教室
橋本芳樹
東京大学大学院薬学系研究科の橋本芳樹と申します.このたびは,日本薬物動態学会ニュースレター「動態研究に取り組むNEW POWER」への寄稿の機会をいただき,編集委員の皆さまならびに関係者の皆さまに感謝申し上げます.
私は2019年の学部4年次より東京大学大学院薬学系研究科・分子薬物動態学教室に所属し,楠原洋之教授,前田和哉教授(現・北里大学)のご指導のもと研究を進めてきました.本年2025年3月に博士号を取得し,同年4月より同教室の特任助教として着任しています.研究環境自体は変わっていませんが,立場は学生から教員へと変わり,現在は教員1年目として日々試行錯誤しながら研究と教育に向き合っています.・・・(続きはNLホームページへ/会員専用)
創薬・開発研究を支える最新の研究基盤
Microphysiological systems(MPS)
第2回:Microphysiological systemsの創薬活用例
アステラス製薬株式会社 トランスレーショナル&バイオメディカル サイエンス
大久保真穂
皆様,こんにちは!本企画『創薬・開発研究を支える最新の研究基盤』の第一弾では,microphysiological systems(MPS)について全3回で取り上げております.第1回では本シリーズの導入として,弊社高間より関連用語も含めたMPSの定義,特徴,重要性について概説しました(未読の方はぜひ第1回もご参照ください).その中で,MPS活用推進のボトルネックの1つとして,各モデルに対する企業間での事例共有不足を挙げました.そこで第2回となる本稿では,MPSが実際の創薬の現場でどのように活用されているのか,いくつかの事例をご紹介します.これからMPSの導入を検討している研究者の皆様にとっても参考となるような情報がお届けできましたら幸いです.・・・(続きはNLホームページへ/会員専用)
受賞者からのコメント
ベストポスター賞を受賞して
熊本⼤学⼤学院 薬学教育部 医療情報薬学分野
藤田一星
日本薬物動態学会第40回年会におきましてベストポスター賞を賜り,大変光栄に存じます.ご審査いただきました先生方ならびに学会関係者の皆様に,厚く御礼申し上げます.本稿では受賞演題である「がん悪液質における薬物動態制御因子の発現変動と副甲状腺ホルモン関連タンパク質の関与」について述べさせていただきます.
悪液質は進行がん患者の半数以上に認められる代謝異常症候群であり,生命予後不良や化学療法の中断要因となります.がん悪液質病態時にCYP基質薬のクリアランス低下が報告されていますが,その詳細な機序は未だ明らかにされていません.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
東京薬科大学 薬物動態制御学教室
國枝美里
この度は,日本薬物動態学会第40回年会におきまして,「Functional identification of MCT7 as a novel drug resistance transporter in breast cancer cells」という演題で,ベストポスター賞という栄誉ある賞を賜り大変光栄に思います.ご審査いただきました先生方,ならびに日本薬物動態学会関係者各位に厚く御礼申し上げます.
モノカルボン酸トランスポーター7(MCT7)は,乳酸を含むモノカルボン酸の排出輸送に関わる輸送体ファミリーに属するトランスポーターです.MCT7はヒトの脳や肝臓等の正常組織だけでなく,乳がんや悪性黒色腫等のがん組織にも高発現し,一部の抗がん薬に耐性化したヒト卵巣がん細胞において,その発現の亢進が報告されています.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 創薬科学専攻 薬物代謝安全性学研究室
長岡京花
この度,日本薬物動態学会第40回年会におきまして,「Stress granules formed via liquid-liquid phase separation sequester pregnane X receptor and suppress its downstream gene expression」という演題でベストポスター賞を賜り,大変光栄に存じます.ご審査いただいた先生方をはじめ,有意義な議論を交わしていただいた皆様に心より御礼申し上げます.
液-液相分離(Liquid–Liquid Phase Separation: LLPS)は,核酸やタンパク質が細胞内を一過的に区画化することで,遺伝子発現制御やストレス応答など多様な生理学的機能を果たすことが知られています.本研究では,LLPSによって形成される構造体の一つであるストレス顆粒(Stress Granule: SG)が薬物代謝酵素の発現を制御するか否か,さらにその分子機構を明らかにすることを目指しました.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
東京薬科大学 薬物動態制御学教室
齊藤直希
この度は日本薬物動態学会第40回年会におきまして,ベストポスター賞という栄誉ある賞をいただき大変光栄に存じます.年会長の山下富義先生をはじめ,日本薬物動態学会関係者の皆様に深く感謝申し上げます.
抗体-薬物複合体(antibody-drug conjugates, ADCs)は,従来の化学療法薬では成し得なかった「高い細胞傷害効力と低い全身毒性」を両立する治療モダリティとして,がん治療に大きなパラダイムシフトをもたらしてきました.ADCsの有効性および安全性を適切に評価するためには,その体内動態プロファイルに基づく薬効発現機構の詳細な理解が不可欠です.一方で現状は,ADCs薬効発現に影響を及ぼす複数の薬物動態パラメータを素過程として正確に分離評価できていない点が課題として挙げられます.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
熊本大学大学院 薬学教育部 微生物薬学分野
佐々木康樹
この度,日本薬物動態学会第40回年会において,ベストポスター賞という名誉ある賞を賜り,大変光栄に存じます.本稿をお借りして,ご審査いただきました選考委員の先生方ならびに関係者の皆様に,心より御礼申し上げます.
モノクローナル抗体(mAb)の血液脳関門(BBB)透過性の向上は,中枢疾患治療薬の開発において極めて重要な課題の一つです.我々は先行研究において,BBB透過性を有する7アミノ酸の環状ペプチドSLSHSPQ(SLSペプチド)をmAbのH鎖C末端に融合することで,抗体の脳移行性が向上することを示してきました.しかし,SLSペプチドの活性はジスルフィド結合による環状構造の維持が必須であり,従来のC末端融合法ではその構造制御が困難であると考えられてきました.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
大塚製薬株式会社 徳島創薬研究センター 前臨床研究所 薬物動態研究部
澤井泰宏
この度は,第40回薬物動態学会年会において「Method Development of Using Oxidative Reaction by Porphyrin for Structure Determination of Drug Metabolites」という演題でベストポスター賞を賜りました.大変光栄に存じますとともに,選考委員の先生方ならびに学会関係者各位に心より御礼申し上げます.
従来,代謝物の構造決定には,最も可能性の高い構造を順次合成し,対象代謝物との一致を確認する方法が用いられてきました.しかし,多数の候補が想定される場合には時間・労力・コストの面で大きな負担となります.そこで,我々はP450の活性部位であるポルフィリンを用い,生体内代謝を模倣した化学的な酸化反応により代謝物を得る「直接酸化法」を開発し,ゲフィチニブを基質として評価しました.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 創薬科学専攻 薬物代謝安全性学研究室
田原優成
この度,日本薬物動態学会第40回年会におきまして「Protective role of protoporphyrin IX in acetaminophen-induced liver injury via suppression of ferroptosis」という演題でベストポスター賞を賜り,大変光栄に存じます.ご審査いただいた先生方をはじめ,有意義な議論を交わしていただいた皆様に心より御礼申し上げます.
フェロトーシスは,二価鉄(Fe2+)に依存した脂質過酸化により引き起こされる細胞死であり,様々な疾患や医薬品の副作用に関与することが報告されています.近年,アセトアミノフェン(Acetaminophen: APAP)誘導性肝障害においてもフェロトーシスの関与が示されましたが,Fe2+の上昇を引き起こす根本的な機序は未だ解明されておりません.そこで本研究では,Fe2+の上昇を抑制する因子として,Fe2+を取り込んでヘムに変換されるプロトポルフィリンIX(Protoporphyrin IX: PpIX)に着目しました.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
日本たばこ産業株式会社(現 塩野義製薬株式会社) 薬物動態研究所
田久保弘章
この度は,「Utilization of endogenous biomarker 4β-hydroxycholesterol for quantitative prediction of CYP3A induction-mediated drug-drug interactions」という演題でベストポスター賞という名誉ある賞をいただきまして誠にありがとうございます.審査いただきました選考委員の先生方,ならびに日本薬物動態学会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます.
CYP3Aは多くの医薬品の代謝に関わることから,その薬物相互作用(Drug-Drug Interaction: DDI)リスクを早期に把握することは非常に重要です.DDI試験に関するガイドラインでは,DDIリスクを把握する新たな手段の一つとしてバイオマーカーアプローチを挙げています.しかし,CYP3A誘導のバイオマーカーとして知られる血漿中4β-ヒドロキシコレステロール/コレステロール比(4β-HC/C)について,判断基準などの具体的な記載はありません.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
北海道科学大学 薬学部 薬剤学分野
戸上紘平
この度,日本薬物動態学会第40回年会におきまして,「Intrapulmonary delivery of pirfenidone-loaded succinylated gelatin-coated liposomes improves pharmacokinetics and antifibrotic effects in fibrotic lungs」という演題で,ベストポスター賞(応用研究領域)という名誉ある賞を賜りました.年会長の山下富義先生をはじめ,ご審査いただきました選考委員の方々,並びに日本薬物動態学会関係各位の皆様に厚く御礼申し上げます.大変光栄に思います.
間質性肺疾患の代表例である肺線維症,特に原因不明とされる特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)は,肺組織の高度な線維化により蜂巣肺を形成し,呼吸器機能の低下というQOLに著しい影響を及ぼすうえ,最終的には死に至るという予後不良の難治性疾患です.本邦では現在IPF治療薬としてピルフェニドンとニンテダニブの2種の抗線維化薬が承認,臨床使用されていますが,いずれも副作用の発現により投与量の減量や中止を余儀なくされるケースが少なくありません.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
TOPPANホールディングス株式会社 総合研究所
内藤靖之
この度は,日本薬物動態学会第40回年会におきまして,『An Engineered 3D Liver Tissue Model (invivoid®) for Long-Term Culture Without Medium Exchange』という演題で,ベストポスター賞という栄誉ある賞を賜り,大変光栄に存じます.審査をいただきました選考委員の先生方,ならびに日本薬物動態学会関係者各位に厚く御礼を申し上げます.
医薬品の安全性評価において,ヒトにおける肝臓での薬物代謝を的確に予測できる評価系の構築は重要な課題となっています.従来用いられてきた二次元培養法では,肝細胞の薬物代謝活性機能の維持が難しく,被験化合物の長期曝露時の挙動を十分に再現できないことが示唆されています.さらに,動物試験については,3R(代替・削減・苦痛軽減)の原則に基づき,その実施を厳格に制限・削減する動きが世界的に加速しており,New Approach Methodologies(NAMs)の活用により動物実験を代替する取り組みが加速しています.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストポスター賞を受賞して
第一三共株式会社 薬物動態研究所
横山 幹
この度は,第40回薬物動態学会年会において「Impact of degradation in subcutaneous tissue and lymphatic fluid on absorption of Fc-fusion proteins following subcutaneous administration」という演題でベストポスター賞を賜り,大変光栄に存じます.選考委員の先生方をはじめ,日本薬物動態学会関係者の皆さまに厚く御礼申し上げます.
皮下投与はバイオ医薬品の臨床投与経路として広く用いられておりますが,皮下投与後のバイオアベイラビリティ(Bioavailability: BA)に影響を及ぼす因子については十分に明らかになっておりません.本研究では,皮下組織およびリンパ液中での分解がFc-fusion proteinの皮下吸収に及ぼす影響に着目しました.4種類のFc-fusion proteinについて(1)Fc部分のみを認識するFc/Fc法,(2)標的結合部位を含む構造を認識するProtein/Fc法,という二種類のリガンド結合アッセイを構築し,皮下投与後の分解がBAに与える影響を検証しました.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストオーラル賞を受賞して
エーザイ株式会社 グローバル薬物動態研究部
和泉沙希
このたび,日本薬物動態学会第40回年会においてベストオーラル賞を賜り,大変光栄に存じます.年会長の山下富義先生,選考委員の先生方,ならびに学会関係者の皆様に,心より御礼申し上げます.
本大会では「Impact of CP-I precursors on the evaluation of OATP1B-mediated drug–drug interactions based on CP-I concentrations in monkeys」と題し,OATP1BsのバイオマーカーであるCoproporphyrin I(CP-I)に関する研究成果を発表いたしました.ヒトおよびサル血漿中にはCP-Iの前駆体がCP-Iの10倍以上存在し,これが血漿中で容易に酸化されてCP-Iへと変換することから,従来“CP-I”として扱われていた定量値が実際には前駆体に由来するものであったことを明らかにしました.さらにサルを用いた検討では,前駆体を除去して純粋なCP-Iを定量することで,OATP1Bsを介した薬物間相互作用をより鋭敏に検出可能となること,その背景には基質依存的阻害およびElimination pathwayにおけるOATP1B寄与率の違いがあることを示しました.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストオーラル賞を受賞して
北里大学 薬剤学教室
深田翔太
この度,日本薬物動態学会第40回年会において,ベストオーラル賞を賜り大変光栄に存じます.本大会の開催にあたりご尽力いただきました大会長の山下富義先生をはじめ,ご審査いただきました選考委員の先生方,日本薬物動態学会関係者の皆様に心より御礼申し上げます.
本大会では,「Quantitative evaluation of the cell-surface mucin layer thickness in gobletcell-enriched human intestinal epithelial cells for assessment of drug-induced gastrointestinal toxicity」という演題名にて発表を行いました.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は優れた抗炎症・鎮痛作用を有する一方で,用量依存的な消化管毒性を引き起こすことが知られています.このような消化管毒性に対して,臨床では粘膜保護薬が併用されることも多いものの,その毒性および有効性を適切に評価可能なin vitro評価系は十分に確立されていません.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストオーラル賞を受賞して
大阪大学先導的学際研究機構・微生物病研究所 BIKEN次世代ワクチン協働研究所
平井敏郎
この度,日本薬物動態学会第40回年会におきまして,「Hypertonic intranasal vaccines gain nasal epithelia access to exert strong immunogenicity」という演題で,ベストオーラル賞を賜り大変光栄に思います.ご審査いただきました先生方,ならびに日本薬物動態学会関係者各位に厚く御礼申し上げます.
鼻からスプレーや液滴の形でワクチンを接種する経鼻ワクチンは,ワクチン投与部位である上気道へ強く抗体やT細胞を強く誘導することが期待されています.このため,上気道を最初の感染部位とする呼吸器ウイルスの感染を効率的に防ぎ,個人の重症化のみならず,社会での感染拡大の制御にも高い効果を発揮することが期待されています.一方で,上気道には粘液や線毛などで構成される粘膜バリアが存在しており,経鼻投与されたワクチンの体内吸収や細胞への接触を阻害するため,経鼻ワクチンによる免疫誘導を妨げる大きな障壁となっています.・・・(続きはNLホームページへ)
ベストオーラル賞を受賞して
東京科学大学 総合研究院 難治疾患研究所 人体模倣システム学分野
横井歩希
この度,日本薬物動態学会第40回年会におきまして「Establishment of a screening system using intestinal organoids for the development of therapeutics for inflammatory bowel disease」の演題でベストオーラル賞を賜りました.ご審査いただきました先生方,ならびに日本薬物動態学会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます.
炎症性腸疾患(IBD)は腸にびらんや潰瘍を伴う慢性炎症が生じる難治性疾患です.粘膜治癒を達成した患者の予後が良好であるため,粘膜治癒の達成がIBDの治療目標として重要視されていますが,既存のIBD治療薬では粘膜治癒を達成できない患者が存在します.そこで我々は,ヒト多能性幹細胞由来腸管オルガノイドおよび腸管microphysiological systems(MPS)を取り入れた表現型スクリーニング系を構築しました.腸管オルガノイドを用いて,Food and Drug Administration(FDA)承認薬を含む化合物ライブラリーの中から,炎症応答および腸管上皮マーカー低下を抑制できる化合物を特定しました.・・・(続きはNLホームページへ)
