Newsletter Volume 32, Number 2, 2017

Newsletter Volume 32, Number 2, 2017

はじめに

 2017年度も間もなく一ヶ月が経とうとしています.新天地にてご活躍され始めた方も多数いらっしゃると思います.年々激動の波が激しくなっている世の中,高い志を持って日々の研究活動に邁進していきたいものです.今回も多岐にわたるメニューをご用意いたしましたので,ご堪能して頂けたら幸いです.

 さて,本号では,「NEW FACE – NEW POWER」は東レ株式会社 坂井知津香先生よりマイクロミニピッグについて,「技術の窓」は国立成育医療研究センター研究所再生医療センター 阿久津英憲先生よりミニ腸の作製について,ご投稿頂きました.3回シリーズの2回目となる「企業で活きる薬物動態の基礎講座」は第一三共株式会社 中山慎太郎先生より,創薬段階での関係部署との協調について引き続き解説して頂きます.「アドメサークル」も3回シリーズの2回目ですが,岩手医科大学薬学部の寺島 潤先生より薬物代謝動態学講座の研究紹介を頂戴します.また,5月17日(水)より学術総合センターにて開催されます日本薬物動態学会第31回ワークショップ/第11回ショートコースのご案内もあります.どうぞお楽しみください.

特集記事のご紹介

NEW FACE – NEW POWER

 「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.

アドメサークル 日本の薬物動態研究組織

 「アドメサークル 日本の薬物動態研究組織」は,企業または教育・研究・医療機関において動態関連の組織の立ち上げに関与した先生,あるいは主導的な立場でご活躍された先生方にご寄稿いただき,薬物動態学会として,そのご経験を共有することを趣旨とした記事を連載しております.単なる研究概要の紹介にとどまらず,研究に至った経緯や,その達成のためのエッセンスをご執筆いただいております.本記事が,会員の皆様にとって研究遂行のためのヒントとなれば幸いです.

企業で活きる薬物動態の基礎講座

 このコーナーは日本薬物動態学会第31回年会にて好評を得た学会活性化委員会DIS「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた中山慎太郎先生に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.特に創薬現場での薬物動態研究で必要な知識や技術を分かりやすく解説する講座として設けました.基礎的な内容であればあるほど,なかなか人には聞きにくいものであり,本で調べても記載していないことも多々あります.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.

技術の窓

 このコーナーでは,薬物動態研究に役立つ技術を企業および大学の先生方に紹介していただきます.新しい技術,動態の分野に別の分野から導入された技術,もともとある技術の新しい使い方,など,薬物動態研究を発展させる可能性がある技術を紹介していくことを目的としています.本コーナーで取り上げたい技術がございましたら,ご意見をお寄せください.