Newsletter Volume 33, Number 3, 2018

Newsletter Volume 33, Number 3, 2018

はじめに

 2018年度も早くも3カ月が終わります.サッカーW杯が開幕しましたが,監督交代後の日本代表チームの結果やいかに.監督交代と言えば,贔屓のプロスポーツチームや職場でも監督が替わってほしいと思うことがしばしばあります.小生は,気分よく仕事することが能力発揮につながると信じているので気分よく仕事できる監督に出会いたいし,そのように思われたいものです.さて,今号のニュースレターも多岐にわたる話題にてお送りいたします.

 今回より連載スタートとなります「若者へのメッセージ」(3回シリーズ)は,同志社女子大学をご退職されたばかりの伊賀勝美先生からご寄稿いただきました.豊富な経験を基にした先生からのメッセージが感じられる内容になっております.日本製薬工業協会医薬評価委員会基礎研究部会からの「製薬企業が考える薬物動態」(4回シリーズ)の第2回目は,「非臨床開発段階におけるヒト薬物動態予測への取り組み」の内容で,EAファーマ株式会社の鷹橋俊之先生にご執筆いただきました.大きな課題であるヒト薬物動態予測を行う際にご活用ください.また,「NEW FACE − NEW POWER」では,静岡県立大学薬学部 志津怜太先生,小野薬品工業株式会社 伊藤 涼先生,武田薬品工業株式会社 山本俊輔先生 の3名の先生からフレッシュかつ力強い意気込みが吹き込まれた内容でご執筆いただきました.さらに,第32回年会にて好評を得た学会活性化委員会の「企業で活きる薬物動態の基礎講座」の第2回目は,橘 達彦先生及び平林秀樹先生に,引き続きそれぞれのご講演内容を再構成した内容をご寄稿いただきました.グラフから多くのことを読み取れることに改めて気付かされます.最後に,「DMPK 33(3)に掲載された各論文の著者から読者へのメッセージ」がございますのでご活用いただければ,と思います.今号も多くの話題をご用意いたしましたので,お楽しみいただけると幸いです.(D)

特集記事のご紹介

若者へのメッセージ

 このコーナーは,研究の第一線を退かれた先生方が,現役時代どの様なことを考え研究を進められたのか,創薬研究の最前線はどうであったか,学会の運営にどの様にあたってこられたか等,後進に語りかけて頂ける様なシリーズを設けたいと思い「若者へのメッセージ」を企画したものです.若者とは若手研究者の事ではなく,メッセージを送る側から見た若者であり,年齢とは関係はありません.先達のメッセージから,ブレイクスルーのヒントが得られればと願っています.

トピックス

 新規発見や手法の開発など学問の発展に伴い,医薬品等の研究開発から市販後の評価項目やその手法は絶えず進化しています.それに呼応して,日米欧の規制当局およびICH等からの規制情報も随時更新されています.ここでは,医薬品開発に用いる最新の技術・知見、医薬品審査の規制情報及びそれらに関連する情報のトピックスを紹介していきます.本記事を通じて,会員各位の業務に有効にお役立ていただければ幸いです.

NEW FACE – NEW POWER

 「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.

学会 道しるべ

 「学会 道しるべ」では,薬物動態という枠組みにとらわれず,日本薬物動態学会の会員にとって役に立つと思われる学術集会を取り上げ,それらの予告または集会の内容や雰囲気などを報告していただくことを目的としています.薬物動態研究者は,産学のいずれにおいても,単なる薬物の動態の枠組みを超えて,薬効評価や病態解析など多方面において活躍されていることと思います.そのような状況の中で,会員諸氏にとって役に立つような学術集会を紹介できるコーナーを目指しています.会員のみなさまから興味のある学術集会についての情報をお知らせいただければ,このコーナーで取り上げるつもりですので,ぜひお寄せください.

企業で活きる薬物動態の基礎講座

 このコーナーは日本薬物動態学会第32回年会にて好評を得た学会活性化委員会「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた橘 達彦,加藤基浩および平林英樹の各先生方に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.特に創薬現場での薬物動態研究で必要な知識や技術を分かりやすく解説する講座として設けました.基礎的な内容であればあるほど,なかなか人には聞きにくいものであり,本で調べても記載していないことも多々あります.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.