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年会長のご挨拶 

日本薬物動態学会 第25回年会
年会長 林 正弘
(東京薬科大学薬学部)

Hayashi

 この度、日本薬物動態学会第25回年会を2010年10月7日(木) 〜9日(土)の3日間、大宮ソニックシティにおいて開催するにあたり、ご挨拶申し上げます。

 本年会におきましては、「創薬と臨床の架け橋としての薬物動態学の役割」をテーマと致しました。薬物動態学の最近の発展は目覚ましいものがあり、新薬開発段階で薬物の吸収・分布・代謝・排泄が原因で、開発中止になる比率が大幅に減少するようになってきました。しかしながら、根強く問題点として残っている薬効や毒性の問題にも薬物動態学は密接に関係していると言えます。これまでに本学会年会では、創薬と臨床のそれぞれの分野における薬物動態学の重要性は議論されてきたといえます。しかしながら、この両分野を結ぶという意味での薬物動態学の役割については、本格的に取り組んだ議論はなかったように記憶しています。このような背景のもと、本年会においては、新薬開発・薬効評価と薬物治療を結び付ける薬物動態学の役割について、最新の知見を発表・議論する場を設けました。組織委員会ではこうしたテーマを背景に、シンポジウム、特別講演等の企画を鋭意進めているところです。さらに、本年会は本学会創立25年という節目の会となり、年会テーマの中にある重要なキーワードである臨床に関して、25周年記念講演会を計画しています。

 本学会は近年、特に国際化に力を入れており、今回もAsia-Pacific地域を中心に広く諸外国から、特別講演者、シンポジストをお招きするのはもちろん、一般講演発表等にも積極的に参加していただくように計画しており、活発な国際的交流が期待されます。

さらに本学会は数年前から、学会発表を英語で行う動きが活発化しており、昨年は一部を除き、口頭発表は原則的に英語で行うことが実行されました。その結果、海外からの演題や参加者が増える等の成果を上げることが出来、昨年の参加者から集められたアンケート結果も英語化を推奨する声が大きかったことは注目に値します。そこで、本年会では、前回よりもさらに国際化を一歩推し進めるべく、すべての口頭発表は例外なしに英語で行う予定となっています。なお、一般口演の質疑応答に関しては、演題申込時に日本語と英語の選択が可能なようにする予定です。数多く存在する関連学会で、英語発表を積極的に推し進めて国際化を目指すということは本学会の大きな特徴となっています。今年も海外から出来るだけ多くの外国人の参加を歓迎し、本年会が盛会となりますように、組織委員一同最大の努力を払う所存です。

以上、本年会では国際化を推し進めながら、創薬と臨床を繋ぐ薬物動態学の役割を議論することを目標に開催させていただきます。どうぞ一人でも多くの会員の皆様に参加していただき、活発に議論に参加していただきますよう、心よりお願い申し上げます。



(C) 2010 日本薬物動態学会