日本薬物動態学会 第6回ショートコース

日時: 2012年4月22日(日)(9:00-13:20)
会場: 慶応大学薬学部(東京都港区芝公園1-5-30)
主題: 〜非臨床から臨床へ〜 医薬品開発におけるヒトPK予測のストラテジー

  • 非臨床薬物動態研究の究極の課題とも言えるヒトPK予測を題材に、その科学的側面のみならず 製薬企業各社の創薬戦略にも焦点を与えることを狙いとしています。
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日本薬物動態学会第6回ショートコース開催にあたって  English

Kume

 

実行委員長 
久米俊行
(田辺三菱製薬株式会社 薬物動態研究所)

 日本薬物動態学会ワークショップの初日となる2012年4月22日(日)の午前に、第6回ショートコースを慶応義塾大学薬学部にて開催いたします。今回のテーマは、「~非臨床から臨床へ~ 医薬品開発におけるヒトPK予測のストラテジー」としました。非臨床薬物動態研究の究極の課題とも言えるヒトPK予測を題材に、その科学的側面のみならず製薬企業各社の創薬戦略にも焦点をあてることが狙いです。引き続いて開催されるワークショップのテーマ「薬物相互作用研究」においても、開発候補化合物のヒト血漿中濃度の予測値が相互作用リスクの判断に大きな影響を与えることは言うまでも無く、両テーマの連鎖にも配慮しました。
 過去には、ヒトPKなどの薬物動態特性が、医薬品開発における大きなボトルネックと言われる時代がありました。その後、肝細胞などヒト由来試料の活用を含む非臨床薬物動態研究の飛躍的発展により、ヒトPK予測の精度は格段に向上しました。それでも今なお、多くの動態研究者の関心事であり続ける理由は、開発部門から、臨床試験デザインに影響するヒトにおけるCmaxや消失半減期の予測が望まれる一方、現在の科学的水準では解決できない事例が多々あることに他なりません。このような状況の中、敢えて定量的な動態予測にチャレンジする企業もあるでしょう。一方で、この困難さのために、ヒトPK予測の精度向上には限界があると考え、「だいたい合っていれば良い」と割り切り負荷の大きい非臨床試験を避け、早期臨床試験で判断する戦略もあるでしょう。
 上述したように、ヒトPK予測の創薬戦略には、多かれ少なかれ企業間での違いがあると思われます。その要因として、企業規模、対象疾患領域、あるいは研究部門と開発部門の力関係などが挙げられるかも知れません。過去の失敗経験の有無が、経営層の判断に大きな影響を及ぼしていることも考えられます。
 筆者の妄想はこのあたりで留め、その解は、当日のご講演と総合討論での生々しい意見交換の場に委ねたいと思います。全演者が共通のテーマについて語るショートコースの醍醐味を、参加者各位が一体となって楽しんで頂けることを確信しています。

 



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