日本薬物動態学会 第7回ショートコース

日時: 日時:2013年5月9日(木)(10:00-14:25)
会場: 学術総合センター 中会議場
東京都千代田区一ツ橋2-1-2 (神保町駅より徒歩3分)
主題: 〜ヒトPK予測のピットフォール〜 医薬品開発におけるNon-CYP系薬物代謝酵素の重要性

日本薬物動態学会第7回ショートコース開催にあたって  English

Kume

 


第7回ショートコース実行委員長
布施英一
(協和発酵キリン株式会社 クリニカルサイエンス部)

 日本薬物動態学会ワークショップの初日となる2013年5月9日(木)の午前から昼食を挟んで、第7回ショートコースを学術総合センター(中会議場)にて開催いたします。今回のテーマは、「〜ヒトPK予測のピットフォール〜医薬品開発におけるNon-CYP系薬物代謝酵素の重要性」としました。前回の第6回ショートコースでは製薬企業における医薬品開発におけるヒトPK予測戦略が取り上げられました。ヒトPKを予測する上で欠くことのできない要素の一つが代謝クリアランスの予測であり、多くの薬剤の代謝にはチトクロームP450(CYP)が関与していることはよく知られています。今回は各製薬会社でスクリーニングやヒトへの外挿に関するストラテジーが構築されているとは言い難いNon-CYP系代謝に敢えて焦点を当てました。

 CYP系代謝については、多くの製薬会社でハイスループットなスクリーニング系が構築され、代謝安定性の比較的高い化合物を取得することが可能となってきました。また、経験則やin vitroからin vivoへ補外するモデルに基づき、ヒトでのCYP系代謝によるクリアランスを予測する方法論も充実してきました。一方で、CYP系の代謝を低減させることに成功し、ヒトで代謝的に安定であることが期待された開発品がCYP系以外の酵素によって代謝され、思わぬ高クリアランス、低バイオアベイラビリティを示すといった経験をした製薬会社も少なくありません。

 今回も、前回に引き続き多くの製薬企業に呼びかけて演題を募集することで、これまで製薬会社間で共有する機会の限られていたNon-CYP系代謝に関する評価系や開発品に関する事例などをご紹介いただく機会を設けることができました。また、アカデミアからは主なNon-CYP系代謝酵素の一つであるカルボキシルエステラーゼについて熊本大学の今井先生よりご紹介いただくこととしました。この場を借りてご協力頂いた関係者の皆様にお礼を申し上げます。

 今回ご紹介いただく研究内容や議論が契機となり、各社においてNon-CYP系代謝の評価系の構築や現在の評価系の改良が議論されることを期待しています。結果として臨床の初期において不十分な薬物動態特性による開発中止の回避につながるならば本ショートコースの実行委員長としてこの上ない喜びであります。

 



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