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ごあいさつ

第23回日本薬物動態学会年会 年会長
熊本大学大学院医学薬学研究部
小田切 優樹
Otagiri

年会テーマ:医療を支える薬物動態研究のイノベーション

 第23回日本薬物動態学会年会を2008年10月30日(木) 〜 11月1日(土)に熊本市で開催します。また、市民公開講演会を前日の10月29日(水)夕刻に開催します。

 ポストゲノム時代の到来とともに、疾患関連生体分子の構造・機能解析技術の著しい進展と相まって、より効率的かつ安全な医療を開発推進する上で戦略的なイノベーションが不可欠となっています。特に、次世代型の創薬・薬物治療のブレークスルー的な発展を推進させるためには、薬学領域のみならず、生命科学を中心とした幅広い専門領域の革新的技術・方法論の連携と融合を図ることが重要と思われます。これまでの薬物動態関連研究によって集積された代謝酵素、トランスポーター、血清タンパク等の生体防御・制御因子群の発現・機能インフォマティクスに加え、疾患や薬剤応答性・有害反応に関連するバイオマーカー探索、疾患モデル動物や疾患模擬細胞系、分子イメージングによる薬物動態追跡と標的臓器との相互作用の可視化、薬物・タンパク質間相互作用の分子シミュレーション・バーチャルスクリーニング系、マイクロドーズ試験等、各種の先端技術・理論を集約し有機的に統合することで、次世代型のゲノム・プロテオーム創薬、分子標的創薬、個別化薬物治療開発の戦略的基盤となる薬物動態研究のイノベーションが加速し得るものと期待されます。

 このような背景の下、第23年会では日本薬物動態学会はもとより、会員の皆様の更なる発展を期待して「医療を支える薬物動態研究のイノベーション」をテーマとしました。本年会では2年前に東京で開催された第21年会と同様に、「アジア・太平洋地域の国際薬物動態学会の会員との合同シンポジウム」と「若手研究者シンポジウム」に加え、新たに国際シンポジウム「薬物動態に機能するアルブミンの新展開」の開催を企画しました。当然のことながら、年会テーマに相応しいシンポジウムやフォーラム、著名な研究者による特別講演やランチョンセミナーも行われます。また、国際化に即応するため、英語での発表セッションも設けました。会員の皆様には、ベストポスター賞にも奮ってご応募いただきますようお願いいたします。

 本年会は言うまでもなく、薬物動態学に関わる研究者が一堂に会する学会であり、会員にとって情報交換の最高の場です。熊本は、美しい自然とおいしい水に恵まれた城下町です。築城401年を迎えた熊本城周辺の熊本市民会館をメイン会場として開催される「第23回薬物動態学会年会」への多数の皆様のご参加をお待ちしております。

 


(C) 2008 日本薬物動態学会